ブルー、ブルー、ブルー








どうしてだろうと思った。

自分の中のこの感情が何なのかがわからなくて、

なんて言葉で形をつけてやればいいのかわからなくて。



だからだたどうしてだろうと思った。


どうして。どうして。どうして。どうして。



どうして、紫水晶を瞳に宿したこの少年はいつもこんな思いをするのだろう。


失って、捨てられて、打ちのめされて、また捨てられて。



そうする度に彼の瞳は絶望に彩られ、凛としたいろは深みを増してゆく。



どうして、彼の瞳はこんなにも綺麗なのにその瞳に映り込む世界はこんなにも汚れているのだろう。

そっと触れた彼の体躯はとても温かく、やわらかなぬくもりを惜しげもなく僕の世界に広げてくれるというのに、

どうして、世界は彼に一分のぬくもりすらも与えてくれないのだろう。



理不尽だと思った。


(彼はぬくもりを差し出して、その見返りが絶望だなんて。)


そう、理不尽。これは理不尽というのだ。


そう理解した瞬間、自分の中にすとんと言葉が落ちていった。

(まるでそれはそこに嵌まることがあらかじめ決められていたパズルのピースのように。)


こんな世界、綺麗な彼には似合わない。

綺麗で、あたたかで、そしてやわらかな。


(そんな世界に君には居てほしいんだ。)


だって、そんな世界の方が彼には似合っている。

彼を取り巻くその世界が「彼」をゆるやかに殺してゆくだなんて、そんな世界であっていいはずがない。

(世界の冷たさに触れる度、君は自身のあたたかさを失っている気がするよ。)



だから、ルルーシュ。



「僕はこの世界を、価値あるものに変えたいんだ。」



綺麗な君が生きるに相応しい、綺麗な世界へ。


(綺麗なものが綺麗なままで在れない世界なんて、僕はいらない。)(そんな世界が正しいとは思えないから。)





「それが世界なら、僕に未練はありません。」




















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(世界が君のために変わらないというのなら、僕が君のために変えてみせるよ。)

2007 04 23