prayer
俺が見つめるのはいつも、小さいけれど力強い光を放つ小さな黒。
命を捧げると、誓った。
守ると、決めた。
側にいたいと、願った。
贅沢だと、我侭だと、自分でも思う。
それでも、その全てが叶っていた時が、確かにあった。
そう、そして、その時を自ら手放したのは、他でもないこの自分。
再び側へと、差し伸べられた手を拒絶したのも、またこの自分。
その時彼の黒い瞳に、小さく光る何かを見た気がするけれど、どうかそれは、自分の気のせいであって欲しい、そう思う。
だってそれは、自分なんかのために流されていいものではない。
彼のためになるならと、側にいたい、隣で見守っていきたいと、そんな感情で動きそうになる自分をどうにか抑え、自らが選んだ道。
それはきっと、あの時彼が望んでいたものとは違っているものだけれど、それでも、彼のために。
ユーリのためになるのなら、どんなことでも。
俺が選んだこの道は、彼の心に大きな傷をつけてしまったけれど、それでもいつか、
その傷を埋めることが出来るくらい、大きなプラスとなって返ってくるはずだから。
俺が貴方に対ししていることを、許して欲しいとは言わない。
だけどどうか、貴方の傷が早く癒えるようにと、祈ることだけは許して欲しい。
そんなことをしても、何が変わるわけでもないと、わかってはいるけれど。
それでも、祈らずにはいられないんだ。
そして、心の奥底にずっと燻る、無理矢理理性で押さえつけたはずの、この願いも。
願わずにはいられないんだ。
今の俺が望むには、それは、過ぎたる願いだろうか。
「それでも、俺は。」
いつか再び、貴方の側へと、いつか再び、あの時間をと、願って止まないんだ。
それが許されぬ願いだとわかってはいても、いつか、また。
あの暖かな光を、ずっと感じていられる場所へと。
コンラッドの独白のような。
修羅場前のみんなに合わせて眠くて眠くて仕方が無いときに
陛下と次男について本気出して考えてみてました。
2005.12.16